会報ダイジェスト
歯科医院経営研究会からの提言
優れた歯科医師が勝れた歯科医師になるために
歯科医院経営研究会からの提言
マズローの欲求段階最高の「自己実現」の上にあるもの
歯科医院経営研究会からの提言
私が考える「歯科医院の成功の秘訣」
会報ダイジェスト
歯科医院経営研究会からの提言
~優れた歯科医師が勝れた歯科医師になるために~
歯科医院経営研究会参与
赤石 健司
2014 年4 月1 日、政府は永年の懸案であった「消費税率アップ」の第一歩を踏み出しました。
わが国の国公債率(国・都道府県が発行している国公債額をGDP で割ったもの)は、財政金融危機が叫ばれるユーロ圏各国(ギリシャ、ポルトガル、スペイン等)をはるかに超える220% となっています。
このような日本が財政金融危機に陥らないのは、約1,500 兆円にのぼる国民貯蓄額によりこれら負債を「自国で」買い支えられているからに他なりません。
今後、急速に高齢化が進むわが国は、徐々に「自国で」買い支える力を失なうことは間違いなく、政府は迅速かつ大規模な財政再建を断行しなければならないのです。
前民主党政権も、現自民党政権もこの点では全く齟齬はありません。
5% から8%、そして来年10 月には10% へと矢継ぎ早やに間接税増税が断行されます。当然、増税の対極にある「行政改革」、平たく言えば「政府支出の削減」も同時に大規模に断行されることになります。
この「行政改革」に狙い撃ちされるのが、医療、福祉であり特に歯科医療への攻撃は、「保険点数マイナス改定」となってより激しいものとなっています。下グラフをご覧ください。

国民医療費及び歯科医療費比率年次推移(厚労省大臣官房情報部)
国民医療費及び歯科医療費比率年次推移(厚労省大臣官房情報部)
言うまでもなく、国民医療費とは保険医療費であり、自費医療費は含まれていません。

経営劣化の主因は歯科医療費の横這い


国民医療費が、高齢化進捗により飛躍的に伸張している今日、歯科医療費のみが何故ゆえに横這いなのでしょうか。この疑問に答えられなければ、歯科界の現状と将来を語ることはできません。歯科医師及び歯科医師会の先生方は図‐ ㈼をしっかりと見つめるべきなのです。
歯科医院経営を劣化させた主因が、「歯科医師増」ではなく「歯科医療費横這い」であったこと。結果として(保険)「歯科医療費」横這い→診療報酬横這いとなり、これを補うために多くの歯科医師とりわけ都市部の歯科医師は「自費医療費」を増大させざるを得なくなったのです。
しかし、「自費治療費」は経済の繁閑に左右されます。そして、わが国はバブル崩壊後「魔の20 年間」という未曾有の不況時代を経験することになり、「自費治療費」で診療所経営を健全化できず、逆に劣化させる結果となったのです。
この状況に追い討ちを掛けるように自費治療に対する消費税を最終的には倍増しようとしているのです。結果、国民患者の自費治療の潜在化は拡大せざるを得ません。

このような中、政府は20 年以上前から断行しようとし、都度、阻止され続けてきた「混合診療」実現を、こともあろうに= TPP 合意の為には避けて通れない=といわんばかりに「外圧」を武器に強引に推し進めようとしているのです。
まさに日本の歯科医院経営は国内外経済・政治と無縁ではなく、また、政権党を支持するとかしないとかという問題ではないのです。

こんな時代的背景にあっても、国民の口腔保健を維持向上させるため、多くの歯科医師は日々努力を続け、自らのスキルアップ、国民DIQ 高揚運動に文字通り骨身を削って活動しています。この甲斐もあって、国民は潜在化していた歯科医療需要を徐々に顕在化しつつあり、また、「保険医療」と「自費医療」の違いを正確に理解できるようになって来ました。
しかし、あらゆる生活領域の中で「歯科医療」を最優先するまでには至っておりません。雑多な消費を「歯科医療」より優先させる国民に対し、不断のDIQ 高揚運動をし続ける必要があるのです。

個別歯科医院経営においては、他医院との厳しい競合の中で生き抜いていかなければならない厳しい現実があります。
どんなに素晴らしい人間性を具備し、どんなに素晴らしいスキルを体得した「優れた歯科医師」であっても、この厳しい競合に勝ちぬかなければ、結局は「勝れた歯科医師」になれず、無に帰すことになるのです。

まさに「優れた歯科医師」は「勝れた歯科医師」になって、初めてその存在が社会的に認められ、個人的にも満足できる歯科医師人生を全うできるのです。
「優れた歯科医師」が「勝れた歯科医師」になるためには、

  1. 優れた臨床能力を維持向上させるため、日々の努力を怠ってはならない。
  2. 自らの価値観、診療思想を院内の歯科衛生士・技工士、歯科助手、受付等全員に敷衍するためのコミュニケーションを充実させ、以って歯科医院全体として患者さんとのコミュニケーションを図るべきである。このためコミュニケーションツールの開発・習熟を図らなければならない。
  3. 「勝れた歯科医師」になるとは経営的に成功し、豊かな個人生活を享受できる歯科医師になることである。この為には、優れた経営感覚を体得すると共に、自らの中に華美に流されない価値観を醸成しなければならない。このような歯科医師になることで真の「優れた歯科医師」になるのである。

以上述べた、高度の臨床力・優れたコミュニケーション能力・高度の経営能力と個人的価値観の醸成による人間力強化こそ、これからの歯科医院経営者たる歯科医師にとって必須の条件といえます。

「歯科医院経営研究会」は、これからもこれら三大骨子に沿った提言を、其界の専門家の先生方により、具体的事例に沿って発し続けていくことにしています。

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